茶道のちから

初級者、中級者、上級者の違い


私は茶道でも宗嘉先生の助手として講師のお仕事をしております。お稽古をしていると、生徒さんの級ごとの差をはっきりと感じることがあり、非常によくできたシステムだと感心するのです。

何が違うか?
『オーラ』

初級者は初級者のオーラ。

中級者は中級者のオーラ。
上級者は上級者のオーラ。
上手いとか下手とかの話ではないのが面白いところ。

初級者、中級者はまだ余裕がありません。
上手くできても危なっかしくて目が離せません。

『褒められたい』
『〇〇さんより上手くなりたい』
という承認欲求が強いのも特徴のひとつ。

それが、上級者になるとこのようなエゴが一つ一つ剥がれていきます。
自由になっていきます。

視点が徐々に遠くなり空間全体を見渡せるようになります。

『褒められたい』から『良いお点前をしたい』
『〇〇さんよりも上手くなりたい』から『〇〇さんと一緒に楽しみたい』

まるで子供から大人に成長するかのように自己中心的な人から、人のことを思いやれる素敵な女性へと変身するのです。

茶道は『対話』の時間。
空間との対話。
お道具との対話。
お客様との対話。

お稽古での対話を通じて、少しずつ他者と自己との関係性を心と身体に染み込ませていきます。

年齢に関係なく、級が上に行けば行くほど
丁寧で、謙虚で、静かです。

●丁寧さ

お道具の扱いは非常に丁寧。
人に見られていなくても常に指を揃えお道具を大切に扱います。
だから高価なお道具も上級者には安心してお任せできるのです。

●謙虚さ

お稽古の流れを敏感に感じ取り謙虚に振る舞います。
『今この瞬間、自分は何をすべきか』
瞬時に考え行動します。
動きも自然で嫌味がありません。
自分の評価よりも全体の流れを重視しているためです。

●静かさ

上級者はどなたも非常に控えめです。
『あ、いたのか』と思わせるほど静かです。
ご自身の話はほとんどしません。
それでいて点前座に入ると誰よりも際立った存在感を放ちます。目立つのではありません。
空間自体を心地良いものに変えるのです。



丁寧で、謙虚で、静かな女性。

一服のお茶を味わい
心も身体も美しく成長する

これが茶道のちから

 

2018年11月02日